不倫の慰謝料請求裁判を無視するとどうなるか

不貞行為の慰謝料請求において被告が裁判所に出廷しない場合、原告の主張が認められ、被告側が敗訴になることが一般的です。その理由を詳しく説明します。

被告不在の裁判は「欠席裁判」になる

裁判において、被告が出廷しない場合、裁判は「欠席裁判」となります。これは、被告が裁判に参加せず、自身の防御を行わない状況です。

日本の裁判制度では、裁判所が被告に出廷を命じたにもかかわらず、それを無視して出廷しなかった場合、裁判は通常通り進行します。被告の不在が裁判の進行を妨げることはありません。

裁判所は被告不在でも原告の主張を審理する

被告が出廷しない場合でも、裁判所は原告の主張と証拠を審理します。日本の民事訴訟では、両当事者の言い分を公平に判断することが原則ですが、被告がその権利を放棄した場合、裁判所は原告側の主張と提出された証拠に基づいて判断します。

被告が反論しない限り、原告の主張がそのまま受け入れられる可能性が高くなります。

被告が答弁書を提出しない場合の影響

通常、被告は裁判の開始後に「答弁書」を裁判所に提出し、自らの立場を明らかにします。答弁書では、原告の主張に対して反論したり、争点を整理したりする役割があります。

しかし、被告が答弁書を提出しなかった場合、原告の主張がそのまま認められやすくなります。これは、被告が原告の主張に反論しなかったことから、裁判所はその主張に異議がないと判断するからです。

裁判所は原告の主張が事実とみなす

民事訴訟では、被告が出廷せず、反論もしない場合、裁判所は原告の主張を「事実」として受け入れることが多いです。被告が不在の場合、裁判所は原告が提出した証拠や訴状をもとに裁定を下します。

被告の反論がないため、原告の証拠が信用できる限り、裁判所は原告の主張を事実と認定し、被告に不利な判決を下すことが一般的です。

被告の権利放棄と「擬制自白」

被告が出廷しない、または答弁書を提出しないという行為は、事実上の「権利放棄」に当たります。この場合、「擬制自白」(ギセイジハク)という法理が適用されます。

「擬制自白」とは、被告が原告の主張に対して異議を唱えず反論をしない場合、被告が原告の主張を認めたとみなされることです。裁判所は、被告が出廷しない場合に、この法理を適用し、原告の主張をそのまま認めます。

裁判所の独自の判断も加わるが、基本的には原告の勝訴

被告が欠席しても、裁判所はその場で自動的に原告の主張をすべて無条件に認めるわけではありません。裁判所は提出された証拠や訴状を精査し、原告の主張に合理性があるかどうかを確認します。

たとえば、慰謝料の請求金額が極端に高すぎる場合などは、裁判所が減額することもあります。ただし、被告が出廷しない場合、原告の言い分が大きく尊重されるため、最終的には原告の勝訴となるケースがほとんどです。

被告が出廷しないことによる不利な点

被告が裁判所に出廷しないことは、以下の点で非常に不利です。

  • 弁明や反論の機会を失う: 被告が自らの立場を主張しない限り、原告の言い分がそのまま認められる。
  • 裁判所の印象が悪くなる: 裁判所に対して誠実に対応しない態度とみなされることが多く、被告にとって不利な状況を招きます。
  • 異議申し立てや控訴が難しくなる: 判決後に被告が異議申し立てを行うことも可能ですが、初回の裁判に出席しない場合、その主張の説得力が大幅に弱まります。

まとめ

被告が不貞行為の慰謝料請求訴訟において出廷しない理由はさまざまですが、裁判の進行を妨げることはありません。被告が出廷しない場合、以下の理由で原告の主張が認められ、被告が敗訴することが一般的です。

  • 欠席裁判が成立し、原告の主張が優先される
  • 被告が答弁書を提出しないため、反論がないとみなされる
  • 「擬制自白」により、原告の主張が事実として認定される
  • 被告が出廷しないこと自体が、裁判所に不誠実な態度と見なされる

被告が出廷しないことで、事実上自らの防御権を放棄し、結果的に原告の勝訴が決定的となるのです。

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